冬が終わる前に書きたかったゲームの話
おはようございます、鴫野です。
年末年始は楽しめましたか?雪が積もらない冬は妙に寒くて気分も空気も悪くて息が詰まりそう・・・。春が来るからと言って何が楽しいのやら。
さなの日私怨感謝祭も終わり、十代最後の冬が終わる前にふと
俺、WHITEALBUM2の話がしたい・・・!
Leaf / AQUAPLUSより発売の地獄を突き進むノベルゲーことホワルバ2。当然ながらエロゲノベルゲーに明るくない方は「なんのこっちゃ」ではありますが、少しでも界隈に明るい人間なら「あぁ、あの・・・」と返事が来ることでしょう知らんけど
このゲームの真相、究極の浮気ゲーとして美しい劇中歌やタイトル、BGMを提げて不穏の名を欲しいがままにしてきたバケモノだったりするのデスが
実績で言えば過去の萌ゲー大賞に選ばれたり、家庭版が(あのJOJOゲーで有名な)ファミ通クロスレビューの殿堂入りを果たしていたり、不穏とは裏腹に・・・いやむしろ不穏を裏付けるようにホワルバ2はこっそりと君臨し続けている。
そんなゲームのアラ・あらすじの引用
真面目で委員長で世話好き学業優秀、優等生の主人公、北原春希。彼は高校生活最後の文化祭を前にして、ある一つの決意があった。それは文化祭でバンドをすること。
しかし参加した「軽音楽同好会」は、痴情のもつれで解散寸前に追い込まれてしまう。文化祭に参加もあわやという状況になって、春希はメンバー集めを開始する。と言っても、バンドのメンバーなどそう簡単に集まるはずもない。無情に過ぎゆく日々に、半ば諦めながら、春希は活動場所である音楽室へと戻った。そこでふと耳にしたのは、冬馬かずさの奏でるピアノの美しく軽やかな旋律だった。その生き生きとした音色に、春希は思わずギターを手に取って、下手くそながらに音を重ねる。
そして拙いながら溶け合った音楽のハーモニー。そこへ吸い寄せられたかのように、甘い歌声のボーカルが、どこからともなく加わった。誰が言い出したわけでもなく、誰が求めたわけでもない、その場限りのはずだった三重奏。
演奏が終わると同時、春希は屋上へと駆けだした。その歌声の主を求めて。そこに居たのは、学校のアイドル小木曽雪菜だった。
もう見たくない。けれど見届けずにはいられない。
もう見たくない。けれど見届けられずにはいられない。(迫真)
WA2というゲーム自体
・introductory chapter(高校編)
・closing chapter(大学編)
・coda (社会人編)
の三部構成とはなっているものの、このゲームを鬱・不穏・地獄たらしめているのは
ic 編 に 選 択 肢 が 無 い と い う 点
何言ってるのかさっぱりだと思うので
ブログの主旨としてはどうしてもic編を中心にこういう流れでこういう思いがあって…といった思慮で形にしつつ、元がゲームなので取捨選択しながらわかりみポイント大量で書く
公式サイトを見つつ読むのをオススメ
口の中で血の味がするようなサディスティックで繊細な文章、声優さまの演技もあってもし「プレイしてみたいけど内容はもう鴫野が言っとったし・・・」となっても大丈夫なゲームだから!!!安心してブログを受け取って欲しい
初めて3人が合うことになった時春希はピアノの主がかずさと気付かないまま
「夏頃から拙いギターに合わせてくれてる綺麗でカッコいいピアノ」とセッションしてたり
3年から転科してきた超不良生徒冬馬かずさの面倒を見ているのが北原春希しかいない。とか。
その後春希が名も知らぬピアニストの正体が隣人の冬馬かずさとわかると、必死に同好会に誘ったり。
学園のアイドル小木曽雪菜が実はヒトカラの女王で、人気のせいで友達も作れず全男子生徒の崇拝対象になってたり。
そんな二人と(部員兼春希の親友飯塚武也と)必死になって文化祭までの2週間を走り抜けるワケで。
ただただ2週間が辛すぎる。
小木曽家の過保護とも言える「マトモな家庭」と
「カネだけはいっぱいある超放置家庭」の冬馬家と
「超放置家庭」の北原家でちょっと小木曽家に嫉妬する二人とか
3人で冬馬家スタジオに泊まり込んでバチバチ練習したり
風邪を引いたかずさを看病する為に春希が雪菜にアドリブ病人食のレシピを聞いたり
どちらにもならないような事が確定した過去として過ぎて行く。
文化祭当日
同好会が崩壊する前に春希が書いた詩に
かずさが曲をつけて
雪菜が歌う
タイトルは「届かない恋」
↑op曲
春希
「ずっと勝手に勝手に親しみを抱いていた高嶺の花が、自分から進んで俺の目線に降りてきてくれて」
春希
「ずっと憧れてて、友達になりたかった奴と、やっと本音でわかりあえる、本当の友達になれて」
↑寝ぼけてる春希がかずさにぼやいた話
3人の関係、この時点で「いつかの日」が辛いほど眩しく輝いている。引き返せない、世界でたった3人の関係は、半年後に卒業した後も続いていくもので。
寝落ちした春希を起こす雪菜、「これからもずっと一緒にいようね」なんて呪いの言葉と一緒に。
もうすぐWHITE ALBUMの季節がやってくる
雪菜
「好きな人に、褒められて・・・だから調子に乗って、ごほうびを、ねだって・・・」
雪菜
「こんな風に自分の方から迫っちゃうなんて、計画のうちにはなかったんだけどな」
雪菜
「ねぇ春希くん」
雪菜
「よけても、いいんだよ・・・?」
ななな急展開ですー
春希に告白した雪菜(⇦⇦⇦⇦⇦⇦⇦⇦⇦❓❓❓❓❓)
このタイミングでフラれることはないとわかっていた雪菜の告白で、ついに二人は結ばれてしまうのです。
春希はずっとかずさのことが忘れられてない、雪菜とキスしたときもテキストでなく
脳内ビジュアルとしてかずさがよぎる演出はゲームならではのすさまじい胃痛ポイント
もう怒涛の展開で
春希が雪菜と付き合った事をかずさに報告する
⇩
雪菜も別個でかずさに報告
雪菜
「なのに、突然わたしみたいな部外者が入ってきて、二人の間、引っかき回して、冬馬さんを挑発して、勝手にヤキモチやいて」
「そんな勝手なことばかりしておいて、勝手に春希くんのこと好きになっていって」
「他人にどう思われたっていい。わたしの価値観を理解してもらうつもりもないし、人に言われたぐらいで揺らぐ恋はしてないから」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「かずさが…さぁ…っ、かずさが男の子だったらよかったのになぁっ」
実は「計画通り…」みたいな意図はなく、真剣に友人に対しての報告だったなんて。ココの「えっ」がWA2らしさ。
付き合いました。終わり。になればどれだけ良かったか
・俺たちの仲だからと、付き合った報告を春希からする
・3人で居る内はカップルっぽいことはナシにしよう
・冬馬の進級がかかってるから3人で勉強しような!
・「3人はずっと一緒だから」と3人でクリスマスに旅行の計画
という大きな流れの中で
えってお前
2人の中に投げ出された、好きな人の幸せが溜まっていって。
この辺りは鴫野的にも覚えがあったりして辛い。
な、な訳〜〜〜〜!!
レベルが違いすぎる……
ー状況整理ー
かずさがピアノの海外修行から帰国した日、雪菜とのパーティに遅刻する勢いのまま。
何も言わずに留学しようとしたかずさを春希が問い詰める。成り行きとはいえ雪菜と付き合うことになった今でも「カッコいい憧れ」のままなかずさに対して、春希は駆け抜けていった2週間と出会った頃の気持ちを吐露するのであった。
「あ、終わったな…」
と誰もが思った時
空振りしたはずの春希の思いが届いて「しまう」
胸の内を隠していた2人は初めてなんでも言い合える友達になったが、もう戻れないところまで来ていた。
追い詰めて抱き寄せる春希
根からの嫉妬で拒絶されてしまう春希は、街中で立ち尽くしてしまうのだった。
大雪のせいで風邪を引いてしまう春希を看病しているのは雪菜だった。↑の件があったにも関わらず、春希は無意識の内に雪菜に連絡を取ってしまっていたとのこと。 なんて男だ…
看病の最中、一件の事を黙ってしまっていた春希
優しくても、残酷でも
自分のためでも、誰のためでも。
嘘は、嘘なんだ
嘘を吐く奴は、最低だ
約束通り、卒業前の冬にかずさは雪菜に留学を打ち明ける。
春希が知ってることも、一件のことも「三人だけの友達」として隠して庇うかずさ。
して、ic編の総括のような春希の答え合わせが、武也、雪菜から為されるのだった
武也
「忘れろ」
春希
「…………何のことだよ」
武也
「あんなおっかない女のどこがいいんだ?
お前とは何もかも釣り合わないだろ?」
春希
「だから、何のことだよ」
武也
「あのコは自分の意思でお前から離れていくんだぞ。彼女にとってお前はその程度の存在でしかないんだぞ?」
武也
「だから立ち直れ。今を絶対に手放すな」
武也
「いいか春希?お前と雪菜ちゃんには先があるんだぞ?」
このパート、武也は何も真実を知らないのに、漏れ聞いた情報と春希の態度で核心を突くので恐ろしい…
雪菜 (屋上にて)
「『WHITE ALBUM』が流れてきてね」
依緒
「なんとも出来すぎた話だよなぁ」
雪菜
「 ギターとピアノのセッションでね。
すごく息が合ってて、なんだかとっても楽しそうで」
雪菜
「だから、その音に どうしても混ざりたくなって…気がついたら歌ってた」
〜〜〜〜〜〜
雪菜
「告白したのは、私の方からだよ」
依緒
「えっ」
〜〜〜〜〜〜
依緒
「その程度のことで自分の将来を決めたりするもんか。彼女の言う通り、ピアノのことと母親のためだよ」
依緒
「いまどき男にフられて逃げるなんて、あまりにも痛すぎるだろ…本気すぎるだろ。ありえないよ」
雪菜
「こんなはずじゃ……なかったんだ」
なんて、かずさの純粋さが行動で証明されてしまった下りである…。
ic編もそろそろ終わりに近づいて。
雪菜
「ついさっき気づいたの…
かずさ、来てたんだよ卒業式。
ほんの今まで、ここにいたんだよ!」
雪菜
「わたし、かずさに言わなくちゃならないことがあるのに。さよなら以外に、大事な大事な話があるのに…」
卒業式の日、雪菜宛にかずさが手紙を残したことが判明。雪菜に留学の話をした日から音信不通、不登校となったかずさがまだ近くにいることが判明し、春希はかずさを必死で探す。
駆け回り諦め、帰宅した時。
音信不通だったかずさから春希に電話がかかる。
春希
「今どこだよ!
どこにいるんだよっ!?」
春希
「嫌だ……最後だなんて言うな…」
春希
「俺…冬馬が…」
かずさ
「やめろ」
春希
「好きだ」
かずさ
「…」
想いを伝えあってはいけないのか、想いに早い遅いがあるのだろうか。向こうに行きたい自分、そうでない自分。どっちも本当であると。そんなやりとりの中、 サイレンの音が春希の耳と携帯に響く
そして、唐突に『WHITE ALBUM』や温泉旅行の思い出を語り出すかずさ。
かずさ
「雪が降りてくる空を見上げたら、思い出すから」
春希
「見つけた…冬馬」
かずさ
「ただ、一目見られればそれでよかったんだ!
お前が、窓から外さえ見てくれれば、あたしは……」
かずさ
「電話なら、言えることってあるよな。
声だけなら、伝えられる気持ちって、あるよな」
この後、春希の部屋で------することになるのですが
最初の、浮気の罪
2人が全く慣れてないことがここまで辛くて嬉しいとは思わないでしょうがぁあもう…………
かずさ
「あたし…いえばよかった…」
かずさ
「馬鹿だ、あたし、馬鹿だ…っ」
春希
「駄目だ…行ったら駄目だ。
嫌だ、嫌だよ、俺…っ」
気持ちが言えなかっただけで、好意が相手にとって思い込みになってしまって、全員が傷ついてしまう。どうして…
そして、雪菜がかずさに送ろうとしたメールにも、後悔と懺悔が。
酷いのは私の方だ。ピアノも、お母さんも、日本も、そして、一人の男の子を心の底からあいしてることも。わかっている。これは傲慢だ、少しだけ…わかっていた気がすると訂正した後で。
彼を、本来あるべきだったところにかえします。あなたの、ところへ
一夜して、春希が一瞬寝てしまった内にかずさは居なくなってしまう。
フライトの時間を手紙で知っていた雪菜は、春希の家に凸、言い訳があるなら電車の中で聞く。かずさに会いに行こうと呼びかける
見つけてしまった春希。
その後、どうすることも出来ず
飛び立つ飛行機を見上げるしかなかった
雪菜
「あなたがずっとここから動かないって言うんなら」
「かずさを裏切ってしまうって、辛く感じるなら…」
「早く、ここを動いて。
わたしを、振りほどいて」
ここから動こうとしないなら、あなたが私を受け入れてるって最低の思い込みをするよと。
そう言われた時も、春希の頭の中にはかずさ一人しかいないのだった。
Introduced chapter 終わり。
ic編、一本道で何もできなくて、ただ全力で誤った決断を見続ける話。
春希視点のまま、こんな思い出が普遍のまま、選択肢のゲームとして進んでいく。
デカイ世界背景のゲーム。
coda編までやって自分が考える、浮気とはなんなんだろうか。
いけないことで、不徳で不純。裏切りなんて言われたりして。月並み、こんなもの
ic編、少なくとも最初から二人しかいなかったモノを無理やり三人にして、ぶっ壊れて。
まあ浮気って言っちゃうと全部悪いことになるから、鴫野的には何を取るべきなのかを考えてるかどうかだと思ってて
「好きな人が好きな人と幸せになれますように」
が何にせよ共通の愛情なのではないかと考える次第であります。
好きな人の好きな人が自分だったら、お互いのために幸せを積み上げればいい訳ですし、結局そうでなくても
好きな人が幸せでいてくれることが一番で。
なんて気持ち悪いな。って吐きそうになる。聖人めいた考えで浮気が許されちゃたまらないなって思うけど、ゴネて人の気持ちが変わって欲しくなくて。
地獄のような不徳を許して受け入れて、許せなくても受け入れて。ど〜にか前に進んで行かなければなんて。
浮気と裏切りって、よくよく考えたら、自分に自信のある恋人たちの理屈で。
まあ。WA2とかいう地獄のゲーム、浮気ゲーではあるのですが、愛する事や綺麗事だったり、性に関する俗っぽく言えば ダーティーな話。
いわゆる18禁ゲーである点を最大に活かした地獄、人の心の珍道中
究極のノベルゲー、エンタメとしてプレイする事も強く魅力的なテーマではありますが
深く人の心に触れるような、雪が溶けて砂と混ざってグチャグチャになってしまう気持ちを、是非。
プレイして、お話しできる人ができたらなと思います。
ps.既プレイ民様へ、どうかブログの形式を怒らないでもらえると嬉しい。どうか。どうか〜〜…
何かあれば質問箱にでもお寄せくださると嬉しいなっ